リレンザの使用で脳症になるのを防ぎ、患者を守る

 インフルエンザは風邪の一種であり、強毒性ではあるものの、1週間も安静にして寝ていれば、普通は完治します。しかし、悪化すると、インフルエンザ脳症になることもあり、合併症を起こして死に至ることもあります。患者をそのような事態から守るためには、症状を悪化させないことが第一です。
 リレンザを、インフルエンザの感染直後に使用できれば、インフルエンザウィルスの増殖を妨げることができるので、ウィルスは侵入したのどの奥のあたりで、ごく少数のままとどまっているしかなくなります。インフルエンザウィルスが侵入して増殖を始めると、ウィルスを退治する免疫細胞を活性化させるため、高熱が出ます。体温が一度上がるだけで、免疫細胞は相当活性化しますから、38.5度以上の高熱が出たら、たいへんなパワーを持つことになります。その免疫細胞にウィルスは発見され、すぐ退治されます。増殖できなくて狭い範囲に少数のままとどまっている程度のウィルスであれば、退治するのは簡単です。時間もかかりません。そのため、免疫細胞はもとの状態にすぐ戻れるため、熱がすぐ下がります。ウィルスが全身に拡散して、免疫細胞が退治し切れず、悪化して、インフルエンザ脳症になったり、肺炎球菌による肺炎を併発するような危険も減らせるわけです。
 インフルエンザウィルスは、侵入してから48時間後には全身に拡散します。そのあとは増殖するのをやめます。免疫細胞は、全身を回ってインフルエンザウィルスを撃退していきますが、全滅させる頃には相当疲れ切ってしまいます。できれば、ウィルスが全身に拡散する前にリレンザを使用し、増殖を途中でストップさせて、数を少数にとどめ、免疫細胞の負担を少なくしたいものです。
 リレンザの効果を最大限に発揮できるのは、予防薬として使用した時でしょう。ウィルスは、侵入した直後から増殖できず、そこにただポツンととどまっていることしかできません。そのうち免疫細胞に見つかり、死滅させられます。そのため、感染したと言えるような症状は現れず、結局感染が防げるということになります。高熱も出ませんし、重篤な症状に陥る心配もありません。
 リレンザは、いかに早い時期に使用するか、です。インフルエンザ感染直後に感染の有無を判定できる方法も開発されていますので、それと組み合わせれば、効果を十分に発揮しやすくなるでしょう。まだ耐性のあるウィルスも出ていませんし、重篤な副作用も報告されていないので、活用していきたい薬です。

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